Windowsでファイルをうっかり削除してしまったとき、ごみ箱の中にそのファイルがあれば、「元に戻す」をすればファイルは復旧できます。
「ごみ箱を空にする」をした場合はどうでしょうか。
残念ながら、Windowsの標準機能ではファイルの復元をすることはできません。
しかし、世の中には削除してしまったデータを復元するためのソフトウェアがあります。
この記事では、誰しもが一度は経験のある”うっかり削除”により紛失してしまったファイルを復元する方法を紹介していきます。
「削除(D)」と「ごみ箱を空にする」の違い
データ復元方法の紹介の前に、Windowsでのデータ削除について書いていきます。
不要な方は読み飛ばしてください。
「削除(D)」で起こっていること
ファイルを選択し、右クリックをするとファイル操作メニューが出てきます。
操作メニューの中に「削除(D)」という項目があります。
この項目を実行すると、選択したファイルが存在した場所から削除されます。
ここでの”削除”はファイルが消えたわけではありません。
ファイルがあった場所から、「ごみ箱」という場所に移動されただけです。
ファイルを選択して、Deleteキーを押した場合も同様の結果になります。
これが、「削除(D)」で起こっていることです。
つまり、ごみ箱へのファイル移動です。
この情報は多くの人が知っていることですね。
ファイルをごみ箱へ移動しただけですので、ごみ箱から「元に戻す」をしたり、別の場所に移動すれば、再びファイルを使用できます。
「ごみ箱を空にする」で起こっていること
前の項目の通り、「削除(D)」を実行すると、ファイルがごみ箱へ移動されます。
ごみ箱に移動されたファイルが不要な場合、「ごみ箱を空にする」でWindows上からファイルを削除します。
ごみ箱を空にする方法はいくつかあります。
最も簡単な方法は、ごみ箱のアイコンを右クリック ⇒ 「ごみ箱を空にする」でしょう。
これを行うと、ごみ箱の中にあるファイルはすべて削除され、ディスクの空き容量は増えます。
さて、「ごみ箱を空にする」で起こっていることは何でしょうか。
それは、「管理情報の削除」と「ファイルを上書き可能な状態」にすることです。
Windowsでは、ファイル本体とファイルの情報を持つ管理情報ファイルが作成されます。
ファイル本体は、その名の通り画像や文章といったデータそのものを指します。
管理情報はファイル本体がディスクのどこにあるのかを記録するアドレス帳のようなデータです。
管理情報が削除されると、Windows上でファイルの管理をしなくなり、ファイル本体がどこにあるのかがわからなくなります。加えて、ファイル本体が上書き可能な状態になります。そのため、ディスクの空き容量が増えるのです。
まとめ
- 「削除(D)」は、ファイルのごみ箱への移動
- 「ごみ箱を空にする」は、ファイルの管理情報の削除とファイル本体を上書き可能状態にする。ファイル本体が削除されるわけではない。
「ごみ箱を空にする」ではファイルが削除されたように見えても、管理情報が削除されただけでファイル本体のデータは残っています。
データ復元ソフトは管理情報が消えたファイルも探すことができるため、データが復元できるのです。
ただし、上書き可能な状態となったファイル本体に、別のファイルが上書きされた場合は、復元が困難になります。
データの復元
さて、本題に入ります。
ここからは、EaseUS Data Recovery Wizardを使ったデータ復元手順について書いていきます。
余談ですが、EaseUSといえば、EaseUS Todo Backupというディスククローンソフトが有名ですね。HDDの引っ越しに使ったことがあります。
EaseUS Data Recovery Wizardのインストール
EaseUS(イーザス)のダウンロードページから、EaseUS Data Recovery Wizardのインストーラーをダウンロードします。
私が ダウンロードしたときのファイル名は、DRW_Free_RSS_new_Installer_20200326.100000.exe でした。
ダウンロードリンク:EaseUS Data Recovery Wizard Free
ダウンロードしたインストーラを実行し、インストール作業を進めていきます。
インストール作業は特に悩むようなことはありませんでした。
画面に従いクリックしていくだけです。
「今すぐインストールする」をクリックします。
カスタムインストールをクリックすると、言語の指定とインストール場所の指定ができます。
↓
インストールが完了すると、「今すぐ始める」のボタンが表示されます。
これで、インストール作業は終了です。
データ復元手順
インストールした、EaseUS Data Recovery Wizardでデータ復元を試みます。
今回は、CF-J9に入っていた160GBのHDDを接続して、この中のファイルを復元してみます。
なお、このHDDはWindowsにてフォーマット済みで、ファイル何もない状態です。
スキャン
インストールしたEaseUS Data Recovery Wizardを起動すると、デバイスとドライブを選択する画面が表示されます。これがホーム画面です。
ホーム画面で、復元をするファイルがあるドライブを選択します。
今回はローカルディスク(E)が今回の復元対象ですので、ここにマウスポインタを持っていき、「スキャン」をクリックします。
スキャンを開始すると、指定したディスク全体をスキャンし、記録されているファイルを読み取ります。
スキャンが完了するまでのステップは、クイックスキャン⇒高度なスキャン⇒ファイルの整理の3ステップで、終了するまで待ちます。
スキャン時間は、パソコンの性能やディスクの速度、ディスクに書き込みされたファイル数によって変化します。参考までに、スキャン終了までは160GBで40分くらいかかりました。
ファイルを選択して復元する
スキャンが終了すると、スキャン結果が表示されます。
高度なスキャン⇒紛失ファイル と進んでみると、以前使用していたファイルがゴロゴロと出てきました。
「懐かしい!」と感じるほど、ずいぶん前に削除したファイルもファイルリストに出てきました。すごいですね。
ファイルを復元するには、ファイルを選択し、リカバリーをクリックします。
復元するファイルの出力先を指定し、OKをクリックすると復元することができます。
↓
とても簡単です!
なお、無料版では復元できるファイルの容量が制限されています。
復元したいファイルの中身を事前に確認しておきたい場合、ファイルを右クリックし、「確認する」をクリックするとプレビュー画面が開きます。
個人的に、このプレビューが非常に便利です。
画像ファイルだけでなくPDFやファイルやオフィスファイルのプレビューもでき、目的のファイルを探す手助けになるのでとても便利です。
↓
ファイルのプレビューできない場合、
・サポートしてないファイル形式
・ファイルサイズが大きい
・ファイルが壊れている
といった理由があるようです。
プレビューできるかできないかで、ファイル復元の期待値も変わってきます。
画像の「プレビューできない」ファイルは、復元できませんでした。
ファイルの容量は復元できますが、ファイルを開くことはできませんでした。
細かい説明がなくても直感的に触れるつくりなので、初めて使う人でも使いやすいと思います。
制限をなくすには有料版の購入が必要
懐かしいファイルを次々と復元していたら、あっという間に無料で使用できる復元容量に到達してしまいました。
復元したいファイルの数が少ないのであれば無料版で十分です。
しかし、たくさんの思い出がつまったデジカメ用のSDカードを誤ってフォーマットしてしまったような場合には無料版ですべてのファイルを復元することはできないでしょう。
そのときは有料版を購入するほかありません。
そのためにも、まずは無料版で復元できそうか?を確認しましょう。
有料版の価格はリンクから確認できます。
https://jp.easeus.com/data-recovery-software/drw-pro-buy.html
さいごに
EaseUS Data Recovery Wizardでデータを復元する方法を紹介しました。
データの復元は、専門業者にお願いするとびっくりするほどの見積もりが出てきます。
条件によりますが、HDDだと数十万~といった金額でしょう。
プロにお願いする仕事ですから高額になるのは当然といえば当然ですが、個人がお願いするには勇気がいる金額です。
「データ復元が必要になった」というときは、まずはEaseUS Data Recovery Wizardのようなデータ復元ソフトを試し、復元できそうであれば有料版を使って復元するという選択もよいのではないかと思います。
HDDを安全に廃棄する方法で記載しましたが、ディスクを消去ユーティリティーでゼロライト方式で消去したHDDのデータ復元を試してみました。
結果は復元できませんでした!
データの復元ではなく消去をお考えの方は、HDDを安全に廃棄する方法の記事もご覧ください。
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