Office 365はインストールディスクが存在せず、インストールはインターネットからソフトウェアをダウンロードし行う形式になっています。
インターネット回線が貧弱な環境で、複数台同時にOffice365をインストールしようとすると、ソフトウェアダウンロードに膨大な時間がかかり非効率です。
そんなときにはオフラインインストーラーが用意されているので、これを使いましょう。
Office365のオフラインインストール
Office 展開ツールのダウンロード
オフラインインストーラーを作成するツールはMicrosoftから提供されています。
名前は、Office 展開ツール(Office Deployment Tool)と呼ばれており、ODTと略称で呼ばれることも多いとか。
ODTは以下のリンクからダウンロード可能です。
提供されている言語は英語(English)のみの提供となっていますが、躓くような文言もないので問題なく利用できると思います。
展開ツールの準備
ダウンロードしたODT(今回の場合officedeploymenttool_14527-20178.exe)を実行します。
ソフトウェアライセンス規約が英語で書かれています。
『Cick here to accept the Microsoft Software License Terms.』にチェックを入れて、『Continue』をクリックします。
ODTを展開するフォルダを指定します。
今回はデスクトップに『ODT』というフォルダを作成し、展開することにしました。
ODTの展開が成功すると画像のような表示が出ます。
展開されたファイルは次の5つです。
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configuration-Office365-x64.xml configuration-Office365-x86.xml configuration-Office2019Enterprise.xml configuration-Office2021Enterprise.xml setup.exe |
Office365の32bit版と64bit版、Office2019と2021のダウンロードができるテンプレート.xmlが含まれています。
4つの.xmlファイルにはサンプルとしてあらかじめ記述があります。
自分の好みに合わせて記述内容を変更してもいいし、記述内容を参考に別ファイルで.xmlを作成しても問題ありません。
一般法人向け Office365の記述
私が検証した結果、以下の内容でうまくいきました。
契約ライセンス:Microsoft 365 Apps for Bussiness
バージョン:32bit版最新版
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<Configuration> <Add OfficeClientEdition="32" Channel="Current"> <Product ID="O365BusinessRetail"> <Language ID="ja-jp"/> </Product> </Add> </Configuration> |
my_config.xmlというファイル名で保存しました。
xmlファイルで使用する要素(Product IDとか属性)の説明は以下のドキュメントから確認できます。
xmlファイル作成サイト
コードに慣れていない方からするとxmlファイルの記述は非常に難解で面倒です。
Microsoftがxmlファイルを作成するWEBサイトを公開しています。
こちらのサイトを使用すると楽だと思います。
MSI版のOfficeをアンインストールさせるというconfigも作成可能なので、Officeのアップグレードの場合には、なおのことこちらのツールを使用するといいと思います。
インストールファイルのダウンロード
準備したmy_config.xmlを使ってOfficeをダウンロードします。
ODTのsetup.exeが存在するフォルダのアドレスバーに「cmd」と入力してコマンドプロンプトを起動します。
こうすることで、setup.exeのある場所でコマンドプロンプトを起動できます。
そして、コマンドプロンプトで以下のように入力し、実行します。
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setup.exe /download my_config.xml |
Officeというフォルダが作成され、3GB弱のファイルがダウンロードされました。
これでオフラインでインストール作業が可能な状態になりました。
LAN内のNASに保存しておいたり、外部メモリに保存したりできます。
インストールアプリの選択
すべてのアプリをインストール
アプリのインストールは準備した.xmlファイルを使い、コマンドプロンプトからインストールを実行します。
準備したxml:install.xml
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<Configuration> <Add OfficeClientEdition="32"> <Product ID="O365ProPlusRetail" Channel="Current"> <Language ID="ja-jp"/> </Product> </Add> </Configuration> |
インストールスクリプト
setup.exeがある場所で実行する必要があるので、setup.exeが存在するフォルダのアドレスバーに「cmd」と入力してコマンドプロンプトを起動します。
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setup.exe /configure install.xml |
.xmlファイルでインストールしないアプリを記述しなければすべてのアプリがインストールされます。
Teamsは端末再起動をするとインストールが完了し、自動起動するようになります。
私の契約プランではTeamsを使用できないのですが、アプリがインストールされるとOS起動時にTeamsが起動し、サインインを促されるのが鬱陶しいです。。。
特定のアプリをインストール
特定のアプリケーションのみをインストールしたいという場合は、.xmlファイルにインストール不要なアプリを除外するように記述(ExcludeApp)することで対応可能です。
以下のinstall.xmlではExcelのみをインストールするという記述になっています。
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<Configuration> <Add OfficeClientEdition="32"> <Product ID="O365ProPlusRetail" Channel="Current"> <Language ID="ja-jp"/> <ExcludeApp ID="Access"/> <ExcludeApp ID="Groove"/> <ExcludeApp ID="Lync"/> <ExcludeApp ID="OneDrive"/> <ExcludeApp ID="OneNote"/> <ExcludeApp ID="Outlook"/> <ExcludeApp ID="Publisher"/> <ExcludeApp ID="PowerPoint"/> <ExcludeApp ID="Word"/> <ExcludeApp ID="Teams"/> </Product> </Add> </Configuration> |
<ExcludeApp ID=”アプリ名”/>という記述を<Product></Product>の間に記述します。
使用できるIDは以下の通りです。
ID 属性 (ExcludeApp 要素の一部)
必須です。
インストールしない製品の ID を定義します。
使用できる値:
- ID=”Access”
- ID=”Excel”
- ID=”Groove”
- ID=”Lync”
- ID=”OneDrive”
- ID=”OneNote”
- ID=”Outlook”
- ID=”PowerPoint”
- ID=”Publisher”
- ID=”Teams”
- ID=”Word”
OneDrive for Business の場合は Groove を使用します。Skype for Business の場合は Lync を使用します。
引用元:https://docs.microsoft.com/ja-jp/deployoffice/manage-software-download-settings-office-365
.xmlファイルが準備できたらコマンドプロンプトでスクリプトを実行します。
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setup.exe /configure install.xml |
↓
↓
↓
↓
狙い通りエクセルのみがインストールされました。
OSを再起動してもTeamsは起動しません。
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