ASUSルーターのRT-AX56Uで構築した簡易NASを使っています。
NASへアクセスするパソコンは主にWindowsパソコンなので、『ネットワークドライブの割り当て』で、ドライブレターを当てています。
最近はUbuntuから簡易NASへアクセスする頻度も増えてきたので、マウントをする方法をまとめてみました。
環境
- Ubuntu Desktop 20.04.1 LTS
- NAS(RT-AX56Uで構築した簡易NAS)
必要なパッケージのインストール
cifs-utilsを使うのでインストールします。
1 |
sudo apt install cifs-utils |
マウント
マウント先ディレクトリの準備
マウント先のディレクトリを用意します。
1 |
sudo mkdir -p /mnt/nas1 |
ディレクトリ名、場所はお好きなようにしてください。
名前解決 ※任意
/etc/hostsに簡易NASのIPアドレスとホスト名の組み合わせを入力し、Ubuntuで名前解決できるようにします。
これにより、マウント時に簡易NASのIPアドレスでなく、ホスト名を使って場所を指定できるようになります。
1 2 3 4 5 6 |
sudo vi /etc/hosts 127.0.0.1 localhost 127.0.1.1 XXXXX 192.168.1.1 RT-AX56U ←NASのIPアドレスとホスト名を入力する ~省略~ |
名前解決できてるか確認してみます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 |
ping RT-AX56U -c4 PING RT-AX56U (192.168.1.1) 56(84) バイトのデータ 64 バイト応答 送信元 RT-AX56U (192.168.1.1): icmp_seq=1 ttl=64 時間=0.539ミリ秒 64 バイト応答 送信元 RT-AX56U (192.168.1.1): icmp_seq=2 ttl=64 時間=0.367ミリ秒 64 バイト応答 送信元 RT-AX56U (192.168.1.1): icmp_seq=3 ttl=64 時間=0.433ミリ秒 64 バイト応答 送信元 RT-AX56U (192.168.1.1): icmp_seq=4 ttl=64 時間=0.431ミリ秒 --- RT-AX56U ping 統計 --- 送信パケット数 4, 受信パケット数 4, パケット損失 0%, 時間 3078ミリ秒 rtt 最小/平均/最大/mdev = 0.367/0.442/0.539/0.061ミリ秒 |
名前解決できてることが確認できました。
マウントする
いよいよNASのマウントです。
まずはNASの存在を確認してみます。
1 2 3 4 5 6 7 8 |
smbclient -L RT-AX56U Enter WORKGROUP\XXXXXX's password: Sharename Type Comment --------- ---- ------- root Disk sda1's root in Mass Storage Device root1tb Disk Qua4's root1tb in ATA HGST HCC541010A9 IPC$ IPC IPC Service (RT-AX56U) SMB1 disabled -- no workgroup available |
RT-AX56にはHDDが2台接続されていて、名前も設定されたもので合っています。
Sharenameはマウント時に使うので、複雑な名前の場合はメモして控えておきましょう。
※smbclientが使えない場合は、sudo apt install smbclientでツールをインストールします。
Raspberry Pi 4では追加しました。
続いてマウントをします。
1 |
sudo mount -t cifs -o username=[ユーザー名],password=[パスワード],vers=1.0 //RT-AX56U/root/ /mnt/nas1 |
これでマウントできました。
ちなみにですが、vers=1.0を付けている理由はRT-AX56Uで構築した簡易NASの対応プロトコルがSMBv1のためです。
vers=1.0を付けなかった場合は以下のようにエラーになります。
1 2 3 |
sudo mount -t cifs -o username=[ユーザー名],password=[パスワード] //RT-AX56U/root/ /mnt/nas1 mount error(2): No such file or directory Refer to the mount.cifs(8) manual page (e.g. man mount.cifs) and kernel log messages (dmesg) |
さて、マウントに成功したので簡易NASの中身をlsしたりcatしたりできるようになりました。
しかし、このマウントは端末が再起動すると外れてしまいます。
次の項で、端末起動時にマウントスクリプトを起動させる内容を書いています。
パソコン起動時にマウントするようにする
シェルスクリプトの保存場所は任意です。
1 2 3 4 5 6 |
sudo vi /home/mount #!bin/bash mount -t cifs -o username=[ユーザー名],password=[パスワード],vers=1.0 //RT-AX56U/root/ /mnt/nas1 exit |
続いて実行権限を付与します。
1 2 3 4 5 6 7 8 |
# 権限付与をする前 ll /home/mount -rw-r--r-- 1 root root 105 3月 26 00:25 /home/mount # 権限付与コマンド sudo chmod +x /home/mount # 権限付与をした後 ll /home/mount -rwxr-xr-x 1 root root 105 3月 26 00:25 /home/mount* |
サービスに登録するため、systemdのユニット定義ファイルを作成します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 |
sudo vi /etc/systemd/system/mount.service [Unit] Description=Enable NAS-mount [Service] Type=simple ExecStart=/home/mount Restart=always [Install] WantedBy=multi-user.target |
作成したファイルを登録し、起動します。
1 2 3 |
sudo systemctl daemon-reload sudo systemctl enable mount.service sudo systemctl start mount.service |
これで起動時に自動でマウントされるようになりました。
私の環境の場合、簡易NASがもう一つあるので同じ要領でマウントしました。
うん、便利。
コメント